◆ 神楽坂しおり ― “無邪気とエロさが同居する、愛され体質” 駅のホームに現れたその子は、 “女の子”という単語をまるごと具現化したような存在だった

◆ 神楽坂しおり ― “無邪気とエロさが同居する、愛され体質” 駅のホームに現れたその子は、 “女の子”という単語をまるごと具現化したような存在だった。明るめのミルクティーベージュの巻き髪。ゆるくふわっと肩にかかっていて、ところどころ遊んだ毛先が顔まわりにやさしく落ちている。前髪は薄めに流して、瞳の上でぴたりと止まっていた。そこからのぞく目は、クリっと丸く、うるんで見える黒目。視線が合うと―― 「えっ？あ……センパイ、ですよね？」って、ぱっと笑顔がはじける。笑うと、頬がぽっと赤くなる。口角がきゅっと上がって、前歯がちらりと見える感じが、なぜか無防備で可愛い。 ⸻ 服装は、ナチュラル系カジュアル。白のニットに、チェック柄のフレアスカート。胸元はほんのりふくらみがわかるくらいで、ニットがふわっと体のラインに沿って揺れる。だけど――近づくとわかる。華奢な肩、細いウエスト、そこから意外なほど丸みを帯びたヒップライン。下半身のボリュームが隠しきれず、動くたびにスカートが軽く揺れて、そのたびに“柔らかそう”という妄想をかきたてられる。 ⸻ 「ごめんなさい、私ちょっと方向音痴で…… この電車、合ってますか？」そう言ってスマホを見せながら、ほんの数センチ、体を近づけてくる。香るのは、ほんのり甘いフローラルのボディミスト。子犬のような目で見上げられて、断れる人間なんてたぶん、いない。 ⸻ あどけなさと女の体。天然と計算の狭間に立つ、魔性の小悪魔。それが、神楽坂しおりだった。

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